矯正歯科治療のQ&A

Q and A

治療のメリットとデメリット

Q
私は歯並びが悪く、矯正歯科治療を受けるかどうか悩んでいます。治療の利点と欠点を教えてください。
A

矯正歯科治療は、顎や歯を動かすことによって歯並びを整え、咬み合わせを改善することで、健やかな人生を送っていただくためのものです。しかし、治療のデメリットもあることを理解していただかなくてはなりません。一般に以下のことが挙げられていますが、治療を受けられる年齢や時期によって異なりますので、実際に矯正歯科医院を受診され詳しくお聞きになられ、矯正歯科治療を受けるかどうかお決めになることをお勧めいたします。

  1. 少しずつ顎や歯を動かすために、長期間の治療となる。
  2. 保険が適用されず、患者さんの全額負担となり、高額である。
  3. 装置を装着するため痛みや圧迫感があり、ストレスとなる場合がある。
  4. やむを得ず、健康な歯を抜くことがある。
Q
不正咬合による悪影響はありますか?
A

悪い歯並びや咬み合わせがあると、以下のような問題が起こると考えられています。

  1. 顎の正常な成長・発育が阻害される
  2. ますます歯並びや噛み合わせが悪くなる
  3. 硬い食物を食べることが困難になる
  4. むし歯や歯周病になりやすく、歯の寿命が短くなる
  5. 口元が悪く、劣等感を感じることがある

治療を受ける病院の選び方(矯正の認定医)について

Q
現在、矯正歯科治療を考えていますが、友人から矯正の認定医や専門医があると聞いたことがあります。これらの先生はどのような先生なのでしょうか。
A

現在、日本矯正歯科学会では資格制度を実施しており、審査および症例試験に合格した先生に対して、一定以上の知識と技術を取得していると認定しています。認定医資格をもつ先生は、少なくとも5年以上、矯正治療のみを専門に勉強され、高度な学識、技術および臨床経験を有しております。下記のようにマスコミ等によって、最近、資格を持たない一般歯科医院での矯正治療のトラブルが増加している報道が多くされておりますが、それらの患者様の駆け込み先や歯科医院からの相談先にもなっています。

  • 「”これって失敗?”治療を受ける前に知らないと後悔するかも!?矯正治療の失敗事例」2015年9月
  • 「”抜かずに”でトラブル急増”子供の矯正”正しい歯科医選び」 2015年3月

なお、資格を保有されていない歯科医師の場合においても、高い学識、技術および臨床経験を有している先生もおられることを申し添えておきます。

Q
矯正歯科治療を受けたいと考えていますが、先生によって上手・下手があり、治療期間も長く、費用も高いと聞いています。良い矯正歯科を見つける方法を教えてください。
A
矯正歯科治療は歯科の中でも非常に専門性の高い医療で、一般に歯科の大学を卒業した後に、さらに大学病院などで十分な修練を積んだ先生が治療にあたります。従って、料金が安いことや単に近所ということで、安易に病院を選ばないよう注意が必要です。日本国内でも権威があるとされる日本矯正歯科学会では認定医制度を実施しており、審査・試験に合格した先生に対して、一定以上の知識と技術を取得していると認定しています。認定医資格をもつ先生は、矯正歯科治療の専門的な学識、技術および臨床経験を有しており、ホームページにも氏名を掲載していますので、これらの先生の病院を選択されることもひとつの方法です。
Q
先日、矯正相談を受けて参りましたが、先生が忙しかったためか、十分な説明が受けられず、その医院に決めるか別の医院にするか迷っています。アドバイスをお願いします。
A
原則全額自己負担となる高額な矯正歯科治療費をお支払いされる患者様にとって、十分納得の上で受診されたいご意向はもっともです。今後の長い治療期間で、いろんな疑問や不安もわいてくることと思います。その都度、先生やスタッフにご質問され、解消されていくことになりますが、あらかじめ時間をとって丁寧に説明される矯正医院をお選びになることをお勧めいたします。
とにかく、矯正歯科治療は長期間通院が必要になりますので、技術だけではなく相性の良い病院を選択することも大切な要件です。

治療の開始時期について

Q
矯正歯科治療を考えていますが、適切な時期というのはあるのでしょうか?また、年齢が高くなると治療ができないと聞いていますが…?
A
矯正歯科治療は成長・発育期に行うのがよいとされています。しかし、幼児の場合は治療自体が困難な場合もあり、ある程度分別のつく年齢(小学校入学頃)からが好ましいといえます。その意味で小学生から中学生に治療開始することが多いのですが、近年では中・高年の方々も治療が可能となってきました。しかし、その年齢では成長・発育は終了しており、顎や歯の移動が円滑でないため治療期間がやや長くなることが多いようです。またむし歯などの治療を受けておられることも多く、治療の制約があったり、装置の見ための悪さをひどく気になさる方々もおられます。一度は、矯正相談を受けられ、お考えになることをお奨めいたします。

治療の一般的な期間と費用

Q
矯正歯科治療を受けたいのですが、高額になると聞いています。一般にどの程度の費用がかかるのでしょうか。また、治療する期間も長いと聞いていますが、常識的な期間を教えてください。
A
一般に、特殊な病気による不正咬合の矯正歯科治療を除いて、矯正歯科治療は健康保険が適用できず、治療費全額が患者さんの自己負担となります。通常、最終的な歯並び治療に用いるマルチブラケット装置を使用する場合、治療完了まで総額で60~100万円程度(鹿児島大学病院では80万円程度)かかるようです。非常に簡単な歯の移動などであれば5~10万円程度で済む場合もあります。
次に、治療期間ですが、不正咬合の著しい場合は装置を入れておく期間が1~3年程度かかることもあり、反対に簡単な治療で改善する場合には半年程度で済むこともあります。受け口など顎に問題がある場合などは、はるかに長い期間に及ぶ場合もあります。一度、矯正相談をお受けになり、改善したい部位をはっきり先生にお伝えし、料金や治療期間をおききになり、検討されることをお勧めいたします。
Q
なぜ、矯正歯科治療の費用は高額なのですか?
A
基本的に、特殊な場合を除いて、一般的な矯正歯科治療では健康保険は適用されず、原則患者さんの全額自己負担となる上に、長期間の通院となりますので高額になります。当院では患者様のご都合にあわせて治療費の分割を実施しておりますので、お気軽にお申しつけください。

矯正診断について

Q
現在15歳の女の子の矯正治療をすることになりましたが、先生から説明を聴いた際に歯を4本も抜くと言われ、非常にショックでしたし、子供も怖がっています。歯を抜いても大丈夫でしょうか。
A
我々、矯正医も基本的に抜歯を行わないように治療することを絶対的に目指しております。しかし、どうしても抜歯をしないと患者様のお悩みが解消されないと判断した場合は、治療方針をいくつか提示させていただき、ご本人と保護者様への説明と同意(必ず説明書があります)を得た上で矯正治療を行っております。納得いかれるまで矯正医にお話しいただき、不安を解消した上で治療をお決めになってください。
  • 「”抜かずに”でトラブル急増”子供の矯正”正しい歯科医選び」 2015年3月
Q
中学1年生の娘ですが、全部の歯が永久歯になったので、上下の全部の歯の外側に装置をつけることになりました。近所の同級生は取り外しのできる簡単な装置で治ったとのことですが、娘にもこのような装置で治療することはできませんか。
A
矯正の患者様に装置を入れる場合、矯正歯科医はまず歯が効果的に動き、痛みの少ない見えにくい簡単な装置を選択したいと考えます。しかし、お子様の場合、ガタガタな歯並びや出っ歯などで多くの歯を多くの距離、動かさなければならないのではないかと思われます。このような場合には、歯の外側につけるマルチブラケット装置や舌側につけるリンガルブラケット装置を使用する方が正確に迅速に多くの歯を動かせるため、選択されることが多くなります。歯並びの状態により矯正装置の適用可能・不可能がありますので、矯正歯科医に全て聞いてみて、納得した上で矯正歯科治療を開始されることをおすすめいたします。

矯正装置装着後について

Q
数日前に歯の表面に取り付けるマルチブラケットというボタンと針金の装置を付けましたが、痛みが強いです。装置を入れると痛いと聞いていましたが、こんなものなのでしょうか。
A
通常、マルチブラケット装置を入れ、歯の移動を開始すると歯が周囲の歯肉や骨を圧迫したり、装置が唇や頬の舌側に擦れるなどで痛みが発生します。痛みの程度や持続期間には個人差がありますが、長ければ子供では3日間程度、成人では1週間程度痛みが持続します。それ以降になると、痛みはなくなり、食事も問題なくなってきます。どうしても我慢できないような強い痛みということであれば、歯に強い力がかかっている場合もありますので、早めに先生にご相談し、必要があれば力のかけ具合の調整などをされてみてください。
Q
14歳男子ですが、矯正の装置を入れ、1ヶ月経ちました。非常に複雑な装置のようで、歯磨きを十分にできないようで、いろいろな食べ物がはさまっているのが、母親の目にも映ります。1年以上、このような装置をずっと付けてむし歯になるようなことはないでしょうか。
A
矯正の装置が入ると、確かに十分に歯磨きをすることがかなり困難になります。従って、我々矯正歯科医は装置を入れる前後に十分な歯磨き指導を行います。最近では、フッ素入りの歯磨き剤がほとんどであり、むし歯の発生はかなり低くなってきましたが、粘着性のある食物は極力避けていただき、三度の食事の後は必ず歯磨きを励行するようお願いをしています。奥歯の装置周辺はとくに食物の残りカスが停滞しやすく、むし歯の発生や歯肉が盛り上がる(腫れる)ことがあります。
外食される場合には、必ず歯ブラシを持参するようにしてください。学校などで歯磨きができにくい場合は、せめてうがいをするようにお願いします。矯正用の歯ブラシや円錐形の歯間ブラシもありますので、複雑な装置の周辺ではこれらを併用することをお勧めいたします。
Q
現在、他の病院で矯正治療を受けていますが、はじめに先生が矯正装置を入れておく期間は2年程度と説明されましたが、すでに3年目に入っており、治療が長引いていることから不信感が募っています。しかし、先生から何も説明がありません。こんなことはよくあるのでしょうか。
A
矯正歯科治療は顎の関係を改善したり、歯を無理のない程度に少しずつ動かすために予想以上に長引いたり、逆に予想外に早く終わることがあります。とくに、成人の治療では堅い骨の中の歯を慎重に移動するため、思いのほか長引くことが稀にあります。しかし、先生から何の説明もないのは好ましくありません。矯正治療においては、通常、治療開始前に上記の説明を行い、治療期間等を記載した説明書や同意書があるかと思いますので、一度書類を確認し、先生にお時間をとってお話し頂くようにお願いされてみてはいかがでしょうか。

医療費控除について

Q
矯正歯科治療でも医療費控除ができると聞いたことがあります。私は会社に勤めていますが、医療費控除ができるのでしょうか。
A
一般に、医療を受けられた場合、確定申告の際に医療費控除をすれば税金が戻ってくることがあります。咬み合わせや歯並びを改善する矯正歯科治療も同様ですが、美容が目的の矯正歯科治療では医療費控除ができない場合もあり、成人の場合は医療費控除できない場合が多いようです。戻ってくる額は所得や医療に費やした金額によって異なってきます。詳しいことは管轄の税務署にお尋ねにならなければなりませんが、医療機関で発行された領収書は必ず保存しておいてください。
Q
子供が矯正治療をしていますが、主人の会社で高額医療費の場合、診断書を提出すれば、一部負担の可能性があることを聞きました。矯正歯科の先生に診断書を書いて頂く場合、費用がかかるのでしょうか。
A
医療機関で発行される診断書等の文書は、健康保険が適用されず、全額自己負担となってしまいます。料金も一律ではなく、通常0~5,000円程度のようで、学校や会社を休む場合などの簡単な診断書や保険会社に提出する診断書等によって金額が変わります。発行される医療機関でお尋ねになってください。

矯正治療終了後(保定装置の重要性について)

Q
現在、15歳の息子で矯正治療が終わり、取り外しのできる保定装置というものになりましたが、面倒がってなかなか使用しません。やらなかったら悪くなるのでしょうか。
A
歯並びや咬み合わせの改善のための歯の移動が終わると、新しい歯の良好な位置を維持するための保定が始まります。移動完了直後の歯は動揺があったりしますが、これは、歯の周囲の骨や歯肉などの組織がしっかり歯を堅固に取り巻いていない理由によります。従って、保定装置を使用しなければ、もとの悪い不正咬合に戻ってしまうことになりかねません。通常、1年以上は保定装置を使用する必要があります。どうしても忘れてしまう場合には、簡易な固定式の保定装置に切り替えることも考慮に入れる必要があると思われますので、現在通院中の矯正医に相談してみてください。

ページトップへ戻る